JICA海外協力隊に実務経験は必要か?

小学校

こんにちは、ナギです🌞

今日は、【協力隊に実務経験は必要か?】について、解説していきます✏️

JICA海外協力隊というと、それぞれの分野での専門知識や経験が求められるイメージがあります。

ですが、職種や要請によっては、実務経験が求められない場合もあります。

実務経験があった方がいいに決まっている!と思う方もいると思います。

ですが実際に現地で半年活動してきて、私は「実務経験がなかった方が良い場面もあるな。」と感じました。

ということで今日は、私が【小学校教育】の職種で活動していて感じた、実務経験があることのメリットとデメリットをお伝えします。

あくまで個人の意見なので参考程度にご覧ください!

「小学校教育」について

JICA海外協力隊の募集要項を見たらお分かりいただけると思いますが、

「必要資格:〇〇」「経験年数〇年以上」と記載されているものもあれば、

実務経験なしでも応募できるものも数多く存在します。

そして実務経験がなくても応募ができ、応募要請が多いのが

小学校教育の要請です。

途上国の多くは、【基礎教育】に課題を抱えています。

読み書き計算などの、基礎学力の不足、教員の不足や指導力の差も挙げられます。

「現地の学校で勉強を教えるのに、実務経験必要ないの!?」と思いますが・・・

結論小学校で習う算数については、日本人の知識レベルであれば十分です。

というのも、日本の基礎教育というのは世界的にみてもかなりレベルが高いです。

TIMSS(国際数学・理科教育同行調査)では、常に上位にランクインしています。

そんな質の高い教育を受けてきた日本人であれば、派遣された国の小学校で指導するには十分な知識を有しているといえるのです✨

私は、学生時代に新卒で協力隊に参加するか迷った時期があります。

その時、説明会に参加し言われたのは

「小学校教育で応募するなら、実務経験があった方が良い」ということでした。

しかし、要請によっては、「集団に指導した経験」など、学生ボランティアや教育系のアルバイトでクリアできる要件も多いように感じました💭

実務経験があるメリット

 これは、なんと言っても、『日本での実務経験を活動に活かせる』ということです。

日本ではどのような手順で、どんな教材を使って授業を行うのか。

また、子どもたちがどんな場面でつまずくのか、どのような支援が有効か、これらの知識は現地で必ず役に立ちます。

現地であるあるなのは、先生が説明して、黒板をかき、子どもはただ聞いて、写すだけ、という授業。

でも6歳〜12歳の子どもたちが、そんな授業で理解できるはずありません。

また、大人だったら当たり前に理解できることでも、子どもはなかなか理解できないことも多いのです。

途上国の多くは、教員の養成制度が不十分だったり、専門性の高い指導法が定着していなかったりします。

そんな先生たちに対して、「こんな道具を使って、こう指導するといいよ。」と、具体的なアドバイスもできます。

これも、日本での授業研究などの経験があれば、問題点が把握しやすいのです。

課題に対して、的確なアドバイスができるのも強みです!

私は、小学校6学年すべての学年の指導経験はありませんが、自分が教えたことのある学年は、子どもがつまずくポイントや、有効な指導方法がわかるため、アドバイスもしやすいです。

また、「日本ではこんな風に教えたよ」と経験を交えて指導法を紹介したりすることができます。

この点は、やはり実務経験があってよかったな、と感じます。

日本で子どもと接した経験があれば、ちょっとしたゲームやアクティビティなど、子どものやる気を引き出すアイデアをたくさん持っているのも魅力ですよね。

このように、自分の知識や経験、アイデアを存分に活かして活動することができます。

実務経験があるデメリット

さて、実務経験があることのメリットを述べた上で、「デメリットになることなんてあるのか!?」

と、思うかもしれませんが・・・

大いにあります。笑

それは、日本の学校現場を知っているからこそのデメリットです。

例えば、ホンジュラスの小学校では、教員の指導力の差、授業日数の不足、教材不足、と様々な課題が存在します。

子どもたちの多くは、今まで習った内容が定着していない状態で進級し、授業を受けています。

そのため、かけ算を覚えていないのにわり算を習っている、繰り上がりのある足し算ができていないのに繰り上がりのある筆算を習っている・・・なんてことが普通です。

他の国の同期隊員も同じことを言っていたので、きっとどこも似たような状況なのだと思います。

こんな状況では、私たちの伝えたい指導方法なんてものは意味をなしません。

し、そもそも求められていないことも・・・

つまり、日本とかけ離れた子どもの学力に驚愕するのです。

さらに、高学年の内容になると分数や体積など、【先生たちが理解していない】なんてこともしょっちゅう。

先生が内容を理解していないものを、子どもが理解できるはずもなく・・・

算数の授業がわかりやすくなるように、子どもの学力が身につくように活動したいのに

そもそもの授業が成り立たない学力。

「こうしたら、良くなるのに・・・」と、アイデアがあっても、全ての先生が受け入れてくれるわけではありません。

そうすると、一生懸命学ぼうとしている子どもたちが、不憫で仕方ありません。

また、先生がいくら頑張っても、現状の教育制度では限界があります。

ボランティアの力では、変えられないこの国の教育制度に憤りを感じることもあります。

この現実を受け入れるのは、日本の学校を知っているからこそ辛いものがあります。

子どもたちが楽しそうに学ぶ姿にやりがいを感じてきたからこそ、「どう頑張っても授業が理解できない」、絶望して意欲を失っている子どもの姿を毎日見るのは悔しい。

「日本のようにはいかない」

頭ではわかっていても、やっぱり諦めるのは難しいのです。

つい日本に近いレベルまで頑張りたいと、中途半端な実務経験が自分を苦しめます。

「もし日本の学校を知らなかったら、もっと気持ちが楽だったのかな」、と思うことは正直少なくありません。

「こんなもんか」って割り切れたと思いますし、現状にあった活動を迷いなくできたのかなと感じます。

実務経験がなくても活躍できる!

結論、小学校教育の職種では、『実務経験がなくても十分活動できる』というのが私の意見です。

実際ホンジュラスでも、小学校での実務経験がなくても活躍している人は大勢います。

それに、「何が求められているか」なんて実際に現地に行ってみないと分からないのです。笑

小学校教育で活動する隊員は、どの任国にも複数人いることが多いです。

もし専門知識がなくても、先輩や同期隊員と情報交換ができますし、他国の状況や指導方法について聞く、という手もあります。

もちろん双方にメリット、デメリットはあります。

また、これはホンジュラスで「算数教育に重点をおいた小学校教育」の活動をする私の意見です。

日本での経験を多く求められる要請も、もちろんあると思います。

あくまで「こんな場合もあるんだなぁ」と、参考にしていただけたら嬉しいです✨

それではAdiós👋

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